出版社内容情報
たった一人で国と共に滅びることを選んだ大公・シモンを追って、息子の空とケルドア公国へ向かった葵。何があっても側にいると決めたはずが、シモンはそれを許さず…「愛の在り処をさがせ!」続編!
2017年4月刊。
樋口美沙緒[ヒグチミサオ]
街子マドカ[マチコマドカ]
内容説明
たった一人で国と共に滅ぶ道を選んだ大公・シモン。葵にも息子の空にも国や種を背負う苦しみを味わわせたくないがゆえのその選択が、シモンなりの愛だと知った葵は、彼を一人にしないために空と一緒にケルドア公国へ向かった。ところが、シモンの種を受け継いだ空は祝福されるも、ナミアゲハの葵は冷遇され、城の使用人から粗雑に扱われてしまう。それを知ったシモンは、彼らを次々と解雇しはじめる。愛しているとは口にしない一方で、過剰なまでに葵を守ろうとするシモンの苛烈さに、葵の胸は疼き…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらねこ
32
あ~なるほど…。王族に一般人が嫁いだらこうなりますね…的な展開はパブリックに通じるものがあったんだけど、樋口さんにしては展開が甘かったかなぁ~…。一言で言うと、ありがち。パブリックではエドの苦悩が深く掘り下げてあって唸ったけど…うん…まぁ、情緒的には幼児レベルだという攻め設定なので仕方ないのかね…。あと攻めの母親が最後までイイとこなしだったのがな…。ちょっと期待しすぎてガッカリ感があるんだけど、これは私の望み過ぎだから…辛口ゴメン…2017/06/01
波多野
31
今作も泣かせるなぁ...。この2人はシリーズでも好きなお話上位に入る。シモンが葵への想いに気付きながら母親の影に囚われて遠ざけようとする姿にホロリ。葵がシモンのそんな感情を知り、それを上回る深い愛でシモンを包み込む姿にホロリ。葵が母親の深い愛を知ったことにホロリ。何度泣かせるの〜。子宝にも恵まれて、これからも親だけど恋人な関係で末永く幸せでいてほしいな。2017/04/26
フキノトウ
19
再読。シリーズ7。拗れた分、寄り添う二人に感動しました。葵、なんとか生きてほしい。澄也研究、頑張って~。2020/03/01
華緯
18
待っていたから、すごく嬉しい。相変わらず、葵を愛していることを理解できない(…したくない?)シモンと、そんな彼を、想いが通じなくても愛そうとする葵。自分の想いを隠そう殺そうとしていたシモンが、葵の、これも決死な抵抗に、耐えきれずに心情を全て吐露するシーンは『やっと言ったね…』と、感動よりも安心した。…あとは、耐えることだけが認めてもらう術ではないと、ゆっくり内側から周囲を変えていく努力を続ける葵にも、ホッとした。…ひとつ、ラストの葵の勘違いに、扉をぶち壊してシモンが怒鳴ったセリフには…ごめん;;笑った;;2017/05/03
青龍
17
大団円で、めでたしめでたし...と、いうことで、不満に思ってはいけないのだろうな。いえ、何が悪いというのではないのですよ。葵が幸せになって、シモンも精神的に安定し、空も成長し...喜ばしい限りなのに、消化不良気味なのは、私がひねたババアだからか...2017/06/01